本文より、一部抜粋。


   「キョオオォォォ!」
   「大変だー!八神が暴走したぞー!!」
   「なにぃ〜!?」

   †正しい庵のしつけ方†

   「あっ、草薙さん!!どうしましょう?八神さんが暴走しちゃいました!」
   「俺が知るかっ!」
   「だって草薙さんは八神さんと同じチームメイトじゃないですかぁ!俺達じゃどうしようもないんですよ!!」

   泣きついてくる真吾を引き摺りながらも、京は一刻も早くここから逃げ出そうと一歩一歩と歩を進める。

   「だからって何で俺なんだよ!チームメイトなら神楽だっているだろっ!?」
   「それが、いるのは千鶴さんの分身だけで本体がどこにもいないんです」
   「チッ、あいつ逃げやがったな」

   京が忌ま忌ましい気に呟くと向こうの方から叫び声が響いた。

   「キョオォォォ!」
   「京〜!真吾〜!八神がそっちに行ったぞ〜!!」

   紅丸の声にそちらを見遣ると、暴走した庵が真っ直ぐにこちらを目指して走ってくるのが見えた。
   真吾は縋るような瞳で京を見上げた。

   「ええっ!?草薙さぁ〜ん!」
   「仕方ねぇな……真吾、下がってろ」
   「は、はいっ!」

   真吾は慌ててその場から離れると、ちゃっかり二人の対決を一番見易い位置に移動した。

   「来いよ、庵!!」
   「キョオオォ!!」

   その場に居合わせた者はこれから繰り広げられるであろう闘いを予想し、揃って息を飲んだ。
   先に動いたのは、京。


・・・・・・・・・


  ここまではまだ真面目なんです。
  ここからどう庵が変わっていくのか・・・お楽しみください。