本文より、一部抜粋。
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「京ちゃん、ちょっとちょっと」
「何だよ」
「ちょっと耳貸して。面白いこと教えてあげるよ」
「あン……?」
嫌そうにしながらも素直に近づき耳を寄せた京に紅丸が何事かを耳打ちすると顔つきが変わった。
「……マジで?」
「ああ、俺様もたまたま店員のお姉さんから聞いたんだけどよ。うってつけだと思わないか?」
誰に、とは言わない。言う必要はない。言わなくても二人の脳裏には同じ人物が浮かび上がっているからである。
きっとそれは誰に言っても同じことだろう。
「…そうだな。アイツにピッタリだぜ」
「だろ?」
「紅丸、ソレ手に入れられるか」
「あぁ、大丈夫だぜ。俺様に任せとけよ」
ニヤリと笑みを浮かべている二人。いったい何を企んでいるのだろうか。
それは後日、明らかとなる……
(中略)
「フッフッフッ……このときを待ってたぜ…」
「…草薙さん?」
さっきとは別の意味で普段とは違う様子に何かを感じた真吾は、一歩二歩と徐々に離れていく。
内心では、『八神さんだけじゃなくて草薙さんまでおかしくなっちゃったよ〜』と泣きそうだった。
「いつもいつも俺が大人しくヤられると思うなよ!?覚悟しやがれ!」
「京ォオオォォ!」
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京は何をするつもりなのか・・・
そして庵の運命はいかに!?