兄弟ゲンカ

雹が描いてくれた表紙&裏表紙です♪
サイズをちょっと縮小したのですが、見辛くてすみませn;
さてさて、俺らの2Pは庵の双子の弟で名を「黎」と言います。
中々に壊れた庵と黎のバトル。その行方は‥‥?
それは読んでからのお楽しみ★





 以下、一部抜粋。


 ・・・・・・・・・


  「京!待たせたな!!」

  乱暴にドアを開けるなり大声で帰宅を告げる庵。
  ずかずかと廊下を進みリビングへと足を踏み入れると、そこに居たのは愛しの日輪ではなく…

  「何だ、騒がしいな。もう少し静かに入って来られないのか?」
  「黎ッ!?」

  簡単に説明すると、黎とは庵の双子の弟だ。
  見た目は庵そっくりだが、庵のように燃えるような緋色の髪ではなく、闇の如く漆黒に染まり、
  瞳は一見黒にも見えるが、よく見ると透き通るような蒼。片耳には瞳の色とお揃いのピアスをしている。
  ズボンも庵と同じものだが、こちらもやはり髪と同じく色は黒である。
  しばらく庵の前には姿を現さなかったのだが、黎は今、二人掛けソファーにゆったりと座り
  あまつさえコーヒーを飲んでいた。まるで昔からこの家に住んでいたかのような振る舞いである。
  庵は驚きのあまりスーパーの袋を床に落としてしまう。足元でガシャッと鈍い音がした。

  「そんな間抜け面を晒して何をしているんだ。落ちたぞ?」
  「誰が間抜け面だ!お前、誰に断ってここに居る!!」
  「俺がここに居てはいけない理由があるのか?せっかく久しぶりに親愛なる兄に会いに来たというのに」
  「何が親愛なる兄だ!少しもそんなことは思っていないくせに‥‥!」

  飄々と言葉を紡ぐ黎に激昂する庵。その理由は…あり過ぎて書ききれない程ある。
  それほどに、この二人の溝は深い。

  「それはまぁいいとして、今日一日は此処にいる予定だ。よろしくな」
  「なぁにぃ〜!?」

  何故よりによってこの日に…!
  そんなことをされたら、京と二人で甘ぁ〜い時間を過ごす計画が台無しではないか…
  とにかく、京が来るまでの間にコイツを排除せねば、俺に未来はない!

  庵がここまで考えるのにかかった時間は、約0.03秒。色々言い過ぎなところがあるが、
  まぁ概ねその通りであり、庵にとっては死活問題なので必死に説得を開始する。

  「悪いが俺は今日忙しいんだ。その話は断る。帰れっ!今すぐ出て行け〜ッ!!」

  ………説得?ι

  庵のヒステリーを受けた黎はさして気にした風もなく、肩を竦めただけだった。

  「可愛い実の弟に帰れだなんて酷いな」
  「貴様を可愛いと思ったことは一度もない。いいから帰れ!!」
  「俺にだって都合があるんだ。そんなことを言われても困る」
  「それはこっちの台詞だぁー!!」


 ・・・・・・・・・


  この後少しして、京が登場します。
  庵と黎、二人の関係はどうなっていくのか!
  必見です!(多分)